機材紹介 CONTAX Carl Zeiss Sonnar T* 85mm F2.8 MMG (前編)
こんにちは。213です。
今回は、また機材ネタです。
「CONTAX Carl Zeiss Sonnar T* 85mm F2.8 MMG」です。T*の色を変えるのは鉄板。
コンタックスの85mmはどちらかというと、F1.4のプラナーが有名です。限定品でも含めればF1.2もあります。その中でF2.8のゾナーは影の薄い存在に感じます。その写りはどのようなものでしょうか。確かめてみましょう。
なぜプラナーにしなかったのかは、私が所有している55mm f/1.2との関係を考えてです。55mmのレンズ構成は、いわゆる「ダブルガウス型」で、カール・ツアイスであればプラナー系統になります。ダブルガウスを撮り比べるのも面白そうですが、今回はダブルガウスのライバルに当たる「ゾナー型」を選択したというわけです。
ダブルガウス型の55㎜の記事はこちら。
このレンズについて、たくさん写真を撮ったので前編と後編に分けてまとめます。
それでは写真の方へ。
前編の今回は、近所をスナップしてみました。
日の丸構図でお花を撮影。開放ですが解像感が高く、高いコントラストを得られます。周辺はレモンボケを確認できます。ボケがうるさくなくて好感が持てます。
オールドレンズというと、柔らかい絵が取れるイメージですが、このゾナーは違います。開放からキレよく写り、絞ればさらに解像感を増します。人工物は被写体として相性がよさそうです。
ホーム端から撮影。フェンスの都合により、ハイアングルになります。また85mmでは画角が足りないので大きくトリミングを行っております。
目を引くのはヘッドライトの光芒です。絞り羽が6枚となっております。ニッコールを使っていると偶数絞り羽は経験がないので新鮮に感じました。
角度を変えての2枚。河川敷の日常を入れるように撮影できました。遠景もきっちり写す癖の少ないレンズだなと感じます。
一方で扱いやすいかというと少し異なった感想を抱く可能性もあります。
ピントを人物に合わせるつもりでしたが手前の植物に。
このレンズの構造について少しご説明を。ピントリングを回す感触は気持ちよく、撮影を楽しくしてくれます。しかしその気持ちよさと同時に、めんどくさいと感じることもあります。端的に言うと、ピントリングの回転角度が270度あるため、ピントの決定に時間がかかります。特に無限遠に設定している状態から、近くのものを撮影しようとするときは、設定に時間がかかり撮影のテンポを悪化させます。また最短撮影距離が1mと寄れるレンズではありません。
寄れるわけではないが、ピントリングの回転角度が大きいというのはめんどくさいなと感じてしまいます。その分正確なピント合わせができるので、一概に欠点というわけではないですが…
少しコントラストを高めに編集しました。この浮き上がってくる感覚はツァイス特有のものなのでしょうか。またニッコールを使っている時より緑色が強く出ている感じがします。今までの写真を見返してみようかと感じさせてくれます。
これもまたコントラストを高めに編集。濃厚な発色がいい感じです。また、背景のボケが柔らかく、被写体が浮き上がってくる描写にはニヤリとします
今回はここまでです。噂通りに高コントラストな写真が撮れる優秀なレンズだなと感じました。現代のレンズと比較しても何ら遜色はないように感じます。まあヤシコン時代のレンズを、「オールドレンズ」のくくりにするのかは議論が分かれるところに感じますが。
レンズの操作については難しさを感じます。先ほどのピントリングの件もありますが、何よりピントの精度を出すことが難しいです。(たかだか)F2.8ですが被写界深度の浅さは驚きました。端的に「AFが欲しくなるレンズ」というのが感想です。
次回は新宿の夜スナップをお届けします。それでは。