氷上のオオワシに魅せられて 北海道遠征1
こんにちは。213です。
北海道遠征の第一弾は、流氷クルーズの撮影記録です。
工程上は、2日目と4日目の朝になります。
全体の工程が書いてある総括記事はこちらにあります。
よろしければアクセスしてみてください。
流氷クルーズは今回の遠征のメインイベントです。
私が乗ったクルーズ船は羅臼港を起点としており、流氷を見に行く、もといオオワシとオジロワシなどのバードウォッチングをするためのものです。
両日とも日の出に合わせて撮影を狙う目的のため、羅臼港を5時に出発する回に参加しました。
御託はここまで。
まずは1回目から振り返ります。
クルーズ船1回目
当然はじめての乗船になるのでワクワクしながら乗り込みましたが、如何せん寒い。テンションだけでしのげるほどの寒さではなかった、というのが乗船してはじめての感想ですね。これ寒すぎて撮影できないのではとか思ったりしました。
船が流氷周辺に着くと、鳥へ与えるための餌を周囲へ投げはじめます。これによって船の周りを鳥たちが飛び回りはじめます。
撮影を開始して少しして撮影出来た写真です。日の出前にシンプルな構図で抑えました。背景が色付き始める時間でした。
素人ながら少しだけオオワシの外見を。オオワシは黒色の体に尾と羽が白いです。またクチバシや脚が黄色なのも目立ちます。その外見のカッコよさから人気があるそうです。
一度、日の出後の写真を。 こちらもシンプルに収めた一枚。順光で目元に光が当たっているところは評価点。
この鳥はオジロワシ。名前の通り尾が白いのが特徴です(写真では少し分かりにくいです)。
流氷では主にこのオオワシとオジロワシを撮影します。これら以外にはカモメ が大量に飛んでいますが、撮っている人はいませんでした。余談ですが、稀に珍しいシロカモメが混じっているらしいです。
日の出前に戻ります。
こちらはオオワシのバトルシーンです。彼らは餌を奪うために他の鳥に飛び蹴りを行います。理想を言えば雪が飛び散るシーンだといいのですが、左のオオワシが可愛らしい動きをしていたのでブログに採用しました。
船内ではこういったシーンを狙うためにみなさんカメラを構えています。寒いのを我慢してはいますが、手の先の感覚が失われていくのを実感しました。しかしまだ始まったばかり! まだまだ撮影を続けます。
ここで機材的な話を少し。Z6のAFは普通に使えます。外すときは盛大にやらかしてくれますが、一度合致すればしぶとく捉え続けてくれます。ニコンらしい堅実な動作でした。寒い環境でもカメラは十分に動いてくれたので心強かったです。
周りの機材を見渡してみると、ニコン・キヤノンのプロ機が多めでした。一部OM-Dもいましたが、過酷な環境はいまだに一眼レフの方が多いですね。
いよいよ日の出。太陽が上がりきってからの一枚。
ゴーストが出たので、意図的にオオワシの顔あたりに発生するように画角を変えました。白い吐息ではないです。いい写真かどうかは別にして、いろいろな表現にチャレンジすること、それを忘れないように出来ているのはいいこと。
この写真を撮っているときはクルーズの終盤だったので、寒さの限界がきていました。手に感覚がいよいよ怪しくなり、判断力を鈍らせます。しかし本当にヤバかったのはこれらではないです。足の方が危険でした。もはや寒いを通り越して痛いが続いていました。なんとか耐えることができましたが、現場で足の冷えを改善する手段がないので苦しい戦いを強いられました。
1日目でよかった写真はこんなところです。漁師さんの話によると、この日は風向きが悪かったのでワシが飛ばない、いわゆる「ハズレ」だったそうです。ある程度の写真は撮れましたが、確かに途中から動きがないなと感じてはいました。終盤になると撮影に慣れてきたというのもあって、「こういうのも撮りたい」といった欲が出てきて不完全燃焼気味でした。2回目があってよかった。
クルーズ船2回目
この2回目、撮影工程上は徹夜でフクロウ撮影した後にクルーズ船に乗っているというわけです。体力的にはなかなか限界を迎えましたが、気力を振り絞りいざ乗船。
2回目ともなればどういう撮影をするかが割とはっきりしているため、乗船時に機材を絞れたり、撮影イメージを考えたりと余裕が生まれていました。
余裕があるので景色を撮ることもできました。これは羅臼の街並み。冠雪が朝日に染まりつつあるところはよく表現できたと思います。
余裕が生まれて鳥がいないこの時間を、「まだあわてるような時間じゃない」状態で楽しめました。コンデジの取り回しの良さも相まっていい写真を残せました。
いよいよ日の出。バードウォッチングの開始です。
朝日を用いた一枚。輪郭の輝きがいい雰囲気を作ってくれます。逆光かつ太陽の前を程よい高さで通過する鳥を狙うのは難しいです。
欲を言えば太陽と鳥が被るくらいで撮りたいところですが、猛禽類の飛行高度が意外と低いため難しい。
この写真は、オオワシが薄氷の上にある餌を取ろうとして溺れかけたシーン。顔は勇ましいですが動きは可愛らしかったです。
この写真を撮っているあたりから気がついたのですが、1回目と比べて鳥の動きが活発なのです。私の方も鳥の動きを掴み始めましたので、いざリベンジ。
オオワシの幼鳥のケンカです。餌を奪うために蹴りを入れています。
このシーン。お互い入り乱れているため、2頭とも顔が見えるタイミングが少ないです。翼の隙間から顔が見えているのはついていました。
先ほどのケンカの続き。手前の鳥は口をあけて威嚇をしているのでしょうか。奥の鳥は蹴りに行っているのがわかります。
わかりにくいですが、奥の鳥の目を写すことができてよかった一枚です。
カモメも餌の奪い合いをしています。カモメの目は結構怖いですね…
やってみて気付くものですが、撮影難易度は猛禽類よりカモメの方が難しいです。カモメの飛行速度は猛禽のそれより速いです。
これの撮影時刻は6時半ごろです。日も上がり撮影開始から時間が経っているので、少しつかれ気味でした。何より寒さで集中力も怪しくなっていました。
フクロウからの連戦で気力も体力も削られていきましたが、最後の力を振り絞って撮影続行です。
最後の最後で急降下を抑えることに成功。順光で山バックといい条件がそろってくれました。クルーにも褒めてもらえて嬉しい一枚となりました。
2回目を終えてですが、餌をめぐるケンカを抑えられてよかったこと、撮影の流れを掴んだことにより成果が出てよかったです。前回行ったことの経験値を活かせたいい撮影になりました。撮影は複数回いくことが重要だと強く実感できる経験になりました。羅臼なので何度も行けるものではないですが、複数回の価値は確かにあります。
写真については、躍動感が段違いに思います。鳥がどんな動きをするかは運によるところもありますが、飛んでいる鳥を追いながら予測を立てれたからこそ、一連の動作を追いながら撮影できました。その結果が躍動感につながったと考えられるでしょう。
終わってみて、結果を出せてよかったとしみじみ感じています。何より楽しい。テンションの上がる撮影は何より楽しい。スポーツの感覚に近かったです。
それでも寒いという人間の反応は正直でした。手が足が冷えていくのはよくわかります。テンションだけでなんとかなる程優しい環境ではありませんでした。今までの疲れが出たのか、撮影後は車の中で爆睡できました。満足いってよかったです。
最後に、2回目の羅臼港の写真を。入江にまで流氷が入るのは珍しいようで貴重な写真となりました。(画像圧縮で汚く見える場合があります。)
それでは
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