213’s Photo Diary

写真や機材についてまとめる日記みたいなもの

フォトラマ×ピンホール

こんにちは。213です。

 

今回は、フォトラマフィルムとピンホールカメラを使った撮影に挑戦してみました。

ご縁があってフォトラマフィルムをいただき、ピンホールカメラをお借りしたので、この2週間ほどはそれらでの撮影に取り組んでいました。今回はその感想をまとめます。

 

フォトラマとは

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そもそもフォトラマとは何ぞやということですが、ネットで調べても情報が少ないというのが正直なところです。幸い富士フイルム公式サイトに社史紹介の一つとしてまとめられているので、大まかなことはわかります。

フォトラマは簡単に言うと昔のインスタントフィルムだそうです。ポラロイドの富士フイルム版といったところですね。インスタントフィルムといえば、現在フォトラマは販売されておらず、代わりにチェキが販売されています。フォトラマとチェキをつなげる情報とかは見つからなかったです。

撮影手段としては、専用のフォトラマ用カメラで撮影するのが一般的のようです。ただ応用として、ホルダーを活用すれば中判・大判カメラで撮影することも可能です。貸していただいた方によると、スタジオ撮影の露出チェック用に活用されていたこともあるそうです。インスタントでありながら再現性が高いため、「試し撮り」にはもってこいというわけですね。

 

撮影について

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今回お借りした機材。左上がフォトラマの4x5用フォルダー。左下がフィルム本体(うち左は使用済み)。右がピンホールカメラです。

4x5のピンホールカメラをお借りしました。f/230、85㎜(35㎜換算で24㎜)くらいの性能でした。シャッターはないので、ホルダーを銀色の遮光板で、ピンホールをパーマセルテープの切れ端で遮光します。

 

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撮影後のイメージです。上の薬品の面と、下の写真面が張り合わせている状態でホルダーから出てきます。現像時間終了後、画像のように写真を剥離します。

 

写真

東京での撮影です。写真用スキャナーを持っていないため、カメラで接写した後にフォトショップでアオリ調整をしています。またライトルームで色調整もしています。実際はもう少し青~紫がかっています。

 

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お借りしたときに入っていたフィルムで撮影しました。薬品がダメになっていたのか、薬品を閉じ込めるための糊がダメになっていたのか理由はわかりませんが現像ムラが発生しました。よく見ると周りの余白に糊の(乾燥した)跡が見られますね。

 

気を取り直してカラーのフィルムを装填。

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京急。基本的にかなりアンダーでハイコントラスト。青から紫にふれる。

 

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都庁。なかなかの解像感。

 

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ヨドバシカメラ新宿西口本店(手持ち)。文字が読めただけでも良かった。

 

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表参道(歩道橋に設置)。暗所が厳しい。

 

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渋谷。原版の中で一番色再現性がよかった。

 

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東京タワー。太陽の色が反転しています。

 

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東京駅。水溜りの写り込みを狙いましたが、今ひとつか…?

 

感想

フォトラマの色

ピンホールカメラによる撮影のため、色の出方が大きく崩れたと考えています。フォトラマの名誉のために付しておきますが、ちゃんとしたカメラ(レンズ)で撮影すると十分な色を持った写真が吐き出されます。実際にレンズを使用して撮影してもらったときは普通の色でした。今回は特殊な例です。

 

・傷がつきやすい

写真面が非常に傷つきやすいです。撮影後に写真として手元に残るのですが、それの持ち運びが非常に難しいです。今回載せた写真に傷が多いのはそういった事情です。

銀塩写真プリントは写真面と裏面を重ねても問題はありませんが、フォトラマでは写真面と裏面がくっついて写真が荒れました。フィルム用のスリーブに入れたりもしましたが、写真面とスリーブがくっつきました。

最終手段で水洗いが(多分)できます、が…なんとも… やってみましたが微妙な結果に…

 

・ゴミがでる

撮影後に薬品のついたゴミが発生します(本記事3枚目の写真、上部のもの)。薬品がついているため、バッグへそのまま突っ込むわけにもいかず、現場での処理にめんどくささを感じます。一方チェキはそういった面倒ごとがないので便利だなぁ…

 

・ピンホールの難しさ、限界

今回はかなり特殊な環境でしたが、ピンホール撮影の難しさを感じました。特に夕方から夜にかけては十分な結果を得ることができず、時間が限られるなかでは限界を感じました。これらの時間帯で撮影してみましたが露出不足を連発し、記事にするのを断念しました。これはブログの更新が遅れた要因の一つです。

デジカメならもう少し限界を広げられるかなと感じてはいます。フィルムだからいいんですけどね。

 

 

 

今回はここまでです。

まずは非常に貴重な経験ができました。お貸しいただいたことは非常に感謝です。

主な感想については上記にありますのでそちらの方を。

撮れた写真は面白いものばかりでした。この色のコントロールは非常に難しい。強いて言えば、順光ではまともな色が出やすいといったところでしょうか。ただこの常識が通じない絵というのがクセになるものです。また一つ経験を積めました。

実はフォトラマフィルムとホルダーは別個でいただきました。カメラさえ用意できれば、また撮影に行けます。今後、大判のピンホールカメラ作りに挑戦してみるのも面白いかもしれません。

 

それでは。

 

 

 

余談です。ピンホールカメラをお借りしたので、どうせなら4x5撮影にも挑戦しようと思い、シートフィルムホルダーを買ってみようと思いました。さっそく新宿の中古カメラ屋をめぐってみたのですが、意外と取り扱いをしていませんでした。ホルダーを大切に使っている人が多いためか、あまり市場に出回らないみたいです。また市場に出てきてもそこそこのお値段で取引されているみたいです…無念。