機材紹介 Mamiya 135EF
こんにちは。213です。
今回は、コンパクトフィルムカメラ「Mamiya 135EF」をご紹介します。
新宿で散歩がてらカメラ屋巡りをしていた時に、偶然出くわしたこのカメラ。見たことも聞いたこともないこのカメラに感動するとは、購入時は思いもしませんでした。一通りの使用感をまとめられたらと思います。
なお、私の主観で書いています。予めご了承ください。
⒈ カメラ概要
発売:1979年
レンズ:MAMIYA-SEKOR 38mm F2.8(最短撮影距離0.9m)
ファインダー:ブライトフレーム(絞り指針計内蔵)・目測ゾーンフォーカス
露出:プログラムAE(シャッタースピード 1/60, 1/125, 1/250)
ストロボ:ポップアップ式フラッシュ
電源:単三電池2本
生産国:日本
補足1:「Rolleimat F」の兄弟機とのうわさ
補足2:「ピッカリコニカ」の愛称で有名な「KONICA C35EF(1975年発売)」の対抗製品に当たるカメラとされています。なお、1977年には、コニカからオートフォーカス化した後継機、「KONICA C35 AF(ジャスピンコニカ)」が発売されています。
フラッシュ付きカメラの中では後発の部類に当たると思われます。
⒉ 外観・デザイン
第一印象は、中判カメラで有名な「Plaubel makina67」に似ていると感じました。これはMamiyaですが。語感が似ていますね。
外装は主にプラスチックで、裏蓋のみ金属です。プラスチック製ですが、表面がマットな質感の仕上げなので高級感が漂います。
デザインは非常にシンプル。やけに説明的な機能表示のような日本製品感が少なく感じます。革張りとかはありませんが、それがかえってすっきりとしたカメラに見えてかっこいいと思います。SIGMA fpとかDP1のような潔さを感じます。
⒊ 機能面
シンプルデザインでありながら機能性の高いこのカメラ。いくつかの項目に分けてご紹介。
⑴持ち手
カメラの筐体は直方体ベースでグリップは無いため、一見持ちにくそうに見えます。しかしいざ持ってみるとそんなことはないのです。カメラ表側のロゴの下にある縦線状の突起に中指と薬指が、裏側の巻き上げノブ下の突起に親指がそれぞれうまく引っ掛かります。使っていて持ちにくいと感じることはありません。
⑵フィルム搬送系
ここの力の入りようはなかなか感心しました。記事の方も力を入れます。
巻き上げレバーは直角のデザインです。あまり見ない形で個性を放っています。お気に入りのポイント。
巻き上げ心地は軽くて引っ掛かりはなく、「気持ちいい」部類です。加えて「分割巻き上げ」に対応しているから驚きです。ニコンだと(おそらく)F一桁にのみに採用されている機能なので、なんでコンパクトカメラなんかにと感心しました。
巻き上げ分量は少なめです。カメラのストロボ側を体に固定すれば片手での巻き上げも可能です。
コマ間は少し広めですが、どちらかといえば一定の間隔でフィルムを巻き上げます。
巻き戻しクランクも引っ掛かりなく巻き戻せます。何本もフィルムを食いちぎってきた私の「Rollei 35」とは違います。もしかしたら「Nikon FM2」よりいいかもしれない。
フィルムの遮光は厳重です。裏蓋と本体の両方にモルトを貼っています。
⑶シャッターボタン
ストロークは長めで押しごたえがあります。これより後の時代のカメラ(Mamiya Uとか)となるとシャッターボタンがゴム製になり、現在では加水分解で故障につながっていることを考えるとこのボタンは好感が持てます。
⑷ファインダー
ブライトフレームのファインダーです。右側にF値を表す指針計が内蔵されています。なかなかな豪華仕様だ…
⑸ストロボ
レンズ右下のフラッシュマークがついたノブを上げると、ストロボが持ち上がります。ここの操作は洒落てます。しまう際はストロボを押せば大丈夫です。
電気をチャージしたかどうかは確認できません。「チュイィィーーーン」と聞こえてくる音で判断するしかないです。
⑹本体底
シリアルナンバー、三脚穴、巻き戻しロックのスイッチと電池室の蓋があります。
電池室の蓋はペラペラのプラスチックで安っぽいです。どうしてここだけ安っぽい⁉ 単三電池2本が入ります。
三脚ねじは画像の左端にある穴です。まぁ使う機会はおそらくないので…
⑺レンズ
ネットの資料ですが、レンズ構成はテッサータイプではないかとされています。コンパクトカメラでは主流なタイプです。
ピンクリングはゾーンフォーカス式です。4箇所のクリックストップがあります。途中でピントリングを止めることもできるので、工夫すれば使えると思います。
ISOはレンズ鏡筒内のリングで変更できます。コンパクトカメラではよくある構造です。MAXでISO500なので、高感度フィルムを使う際は注意する必要があります。ISO400あたりの銘柄が1番使いやすいです。
総じてコンパクトカメラなのに非常によくできています。触っているだけで面白いカメラです。ぜひとも一度触っていただきたい!
⒋ 作例
写真はすべて、lightroomのプラグイン「Negative Lab Pro」でネガフィルムから反転しています。
カラー
最後の一枚はフラッシュを使用しております。
モノクロ
写りについて
描写力は高いと思います。目測なのでピントの外しやすさはありますが、ピントさえあれば良好な結果が返ってきます。
AEはオーバー傾向にあると思います。とくに絞り開放での撮影が多かったです。ネガフィルムの広いラティチュードを生かそうとしているのではと感じました。逆にリバーサルを入れるのはお勧めしません笑
上記の傾向からか、絞り開放で撮影する場合が多いので、被写界深度が浅くなる場合があります。その分ピントを外しやすいといえます。表現にこだわりがないなら、写ルンですの方が撮影成功率が高いと言えます。写ルンですの偉大さを感じてしまいました。
⒌ 感想
主に「操作性」で書いたことが感想です。それくらいよくできたカメラだと思います。Mamiyaは質の高い中判カメラで有名なメーカーですが、135フィルムでも質の高さがうかがえます。
特に巻き上げが楽しくて、ついつい撮影が進むカメラです。片手でも扱える手軽さから、撮影のテンポが非常に良くなります。スナップとかにぴったりですね。
話は変わって、「カメラ」自体の写真はどうでしょうか? 「富士フイルムXシリーズ」のホームページ風を狙ってみたつもりです。
撮ってみた感想ですが、カメラの質感を残すのがまず難しい。あとは撮影ブースの背景幕が目立ってしまったりと。被写体を置く土台とかもないですし。質の向上を求めるなら、そこそこ投資しないと難しそうですね…
今回たまたま手に取ったカメラが「Mamiya 135EF」でしたが、他にも沢山のコンパクトフィルムカメラがあります。皆さんもこの世界へ足を踏み入れてはどうでしょうか?
それでは!